偕楽園殺人事件3 転回編
5.静寂
翌朝の千波湖は物々しかった。パトカーに乗せられてやってきた都、結城、秋菜は鈴木刑事に連れられて非常線の中で長川警部と合流した。
「くそっ」
長川警部はほぞを嚙んだまま憎しみの表情で爆発したトイレとその前にあるものを見下ろしていた。君塚巡査の生首がうつろな目で千波湖の秋の空を見ていた。
「なんてこった」
結城は戦慄の表情で都の目をふさぐ。だが、都はその手をどけてじっと君塚の頭部を見ていた。
「犯人を追ってトイレに追い詰めたところ、犯人が所持していた爆発物で自爆…それに巻き込まれたそうだ」
長川は若い警官の死に組み木で固定された植木を殴りつけた。
「という事は中にも死体が」
という都に長川は「ああ」と声を上げた。「黒焦げで上半身が吹っ飛んで判別は出来ないそうだがな。それと病院に搬送された津川館長も死んだそうだ」
結城は昨日の夜何かポンと音がして、消防車が多く駆け付けたのを見た。だがその時3人もの人間が死んだなんて考えもしなかった。
「いや…中の人判別できるかもしれないよ」
加隈真理が声を上げた。
「爆発で飛んだんだね。指が残っていた。指紋も判別可能みたい」
「怪しいな」
結城は唸った。
「常陸太田の山で山城議員の死体が出たんだろう。あれは下半身がなかったそうじゃないか」
「つまり結城君。君はあれが山城議員の死体だって言いたいのかい」不敵に笑う加隈。
「黒焦げなら死亡推定時刻くらいごまかせるだろう」
結城は言った。「指だけならそこに置けばいいじゃないか」
「大丈夫だよ。鑑識をなめてもらっちゃ困る。指と黒焦げ死体が同一人物かくらいわかるし、この見つかった指の指紋はまず早急に確かめなくちゃいけない相手がいるんだよ」
「好文亭で見つかった第三の指紋ですね」
秋菜がメモを取り出して言った。概要はすでに今朝鈴木刑事に聞いていたのだ。
「そう…。まずトイレの死体が好文亭の殺人現場にあった犯人の指紋と一致するかどうかを確認しないとね。そうしないと凶悪殺人犯が野放しになっているのか死んだのかわからないからね」加隈はそういいながら、秋菜にニヤッと笑いかけた。
「な、なんだって!」
近代美術館のロビーで素っ頓狂な声を上げたのは結城だった。
長川は冷静にワトソン役に報告する。
「ああ、好文亭の殺害現場で発見された犯人の血みどろの指紋と、トイレで見つかった黒焦げ死体の指紋は一致した。さらに見つかった指と黒焦げ死体のÐǸAも一致しているため、少なくとも犯行時生きていた犯人と山城議員は同一人物じゃないってことになる」
「そうかぁ」結城は頭をかきかきした。
「つまり、犯人は死んだんだな。もう我々が狙われることはないんだな」
鑑定士の玉川がおどおどしながら答える。
「ええ、おそらくは」と長川。
「それを聞いて安心しましたわ。卑劣なテロリストに私が屈するわけにもいかないのでして…今日は反日テロリストが死んだことをお祝いしましょう」伊藤議員がそう言いながらソファーから立ち上がると
「それがいいですねぇ」江川が藤見が撮影するカメラの前で笑った。
「仮にもここの館長も死んでるんだぞ」
別のソファーで勝馬はあきれ果てて呟いた。
そんな中で島都だけは座り込みながらじっと前を見つめていた。
「山城議員の件、お悔やみ申し上げます」
長川は伊藤に頭を下げた。
「そうね。彼女は素晴らしい国士だったわ。県北の豪雨災害で外国人集団による略奪行為を防いだんですもの」
その言葉に、江川リポーターと玉川重宗がどきりと体を震わせた。その反応を結城は見逃さなかった。だが、都が注目したのは秋菜も何か思い出したように目を見開いたことだ。
「では私は延期となった鑑定会の開催について政府と相談してきますのでこれで」
伊藤議員は中座し、佐々木を伴って歩き出した。
「何か隠しているね」
千尋は誰もいなくなった美術館のホールで声を上げた。
「県北の豪雨災害で…あの人たち何かやらかしてるんだよ」
「私もそう思う。ちょい調べてくるから私は消えるわ。じゃぁ」
長川警部はそういって、みんなと別れた。
「ねぇ、秋菜ちゃん…」
都が秋菜を見上げながら目をぱちくりさせた。「秋菜ちゃんは確か小学校6年生の時の豪雨災害の時林間学校で県北にいたよね。道路が寸断されてなかなか帰れなくて」
「はい…町役場に避難していました…酷い災害でした。あの村の養護施設の子供たちが非難する途中土石流に巻き込まれて…」
「死者の9割がその子供たちだったんだよな」結城が落ち込む秋菜の代わりに言葉をつなげた。
「その子供たちと私たちは会っていたんです。ハイキングコースの途中で突然の豪雨に降られて、そしたら山のふもとにあった養護施設の子供たちと先生が私たちの班を中に入れてくれたんです。ああああっ」
秋菜がポンと手を打った。
「その時、玉川って人と殺された辻さん、そして津川館長もその養護施設にいました!」
「本当か! で、でもなんで」
結城が柄にもなく素っ頓狂な声を上げる。
「遺跡発掘でもしていたのだと思います。助けてもらったのに食事が冷たいだの、子供たちに外国人が多くて気持ち悪いだの、酷いことをいう人だなって思って、子供たちを悪く言われた保母さんが凄く怒っていたのを覚えています」
「そういえば、被災した養護施設は親が強制送還されたりして身寄りがなくなったハーフの子供とかを積極的に引き取っていたな」結城が顎に手を当てて思い出す。
「本当にみんな優しくて…私より年下だったのに先生に会えなくて泣いている私たちとおもちゃで遊んでくれて…なんでって思いました」
秋菜は少し涙で瞳を潤めながら言った。悲しい出来事を思い出して肩を震わせる秋菜に瑠奈が優しく手をかけた。
「秋菜ちゃん…少し散歩しようか。都行ってくるね」
「瑠奈ちんありがとぉ」都が笑顔で瑠奈と秋菜を見送った。
「今の話、長川警部に伝えといたほうがいいんじゃないか?」
結城が都に促した。都は「うん」と頷いた。
「すごくきれいね」
瑠奈は殺人現場のあった千波湖を避けて、線路北側の梅園を秋菜と歩いていた。
「みんな天国にいますよね」秋菜が呟くように言った。
「大丈夫。みんなこんな奇麗な世界で仲良く暮らしている…きっと大丈夫よ」
瑠奈は笑った。
そんな女の子2人の様子を竹藪の中から何かがうかがっていた。すっと突き出されたのはギラリと光るボウガンの矢の先端だった。それはゆっくりと秋菜の胸を狙っている。
「これなんかすごく大きな花なんじゃないかな」
瑠奈が笑顔で秋菜を呼び止めてしまい、それが襲撃者に絶好のチャンスを与えてしまった。空気を切り裂くような音が聞こえた直後、秋菜は膨らみ始めたばかりの敏感な左胸に体を引き裂かれるような激痛を感じ、助けを求めるように瑠奈を見た。
「あ・・・あ。・・・・」
あまりの苦しさに中学2年の少女は声を上げられないままあおむけに倒れた。
「あ、秋菜ちゃん?」
瑠奈が倒れた秋菜の胸に矢が突き刺さり、深紅の血液が広がっていくのを見て、絶叫を上げた。
「いやぁああああああっ、秋菜ちゃん、秋菜ちゃん」
瑠奈の絶叫に周辺の散策客が集まってきた。
その400メートル西、好文亭西側で都と結城は、勝馬、千尋と実況見分をしていた。
「勝馬君。亡くなった君塚巡査の相棒さんは、千波湖の殺人現場で赤い目をした人を目撃しているんだよ。その赤い目をした巨人さんはどんな感じで立っていたのかな」
千尋が持ち歩いているデッサンの画板に固定した好文亭の絵に、勝馬が黒いマッキーで棒人間を描いている。どう見ても後ろの絵とあっていないいい加減な棒人間だが、物凄い長身の人物だという事がわかる。
「勝馬君」
都は今度は赤いマッキーを出して
「今度はかがんだ時にはどんな感じでかがんだのか書いてくれないかな」
都に言われて勝馬は「こんな感じでした」とうんこ座りする棒人間の絵を描く。
「本当にこんなにデカい奴だったのか。遠近法間違えてるんじゃないか」
結城は唸った。
「俺の証言が信用できないというのか」勝馬が結城にガンつけるが都は
「遠近法で間違えたわけではないと思うよ。だって勝馬君は身長が凄く高いじゃん。勝馬君が遠近法で大きく見える人なんて、それ自体が身長2メートルとか超えてるんじゃないかな」
と目をぱちくりさせた。
「だが第二の事件で犯人を見た警官は、赤い目の存在は身長160か170って言っているんだ。巨人じゃないんだぜ」
「勝馬君が見たものには間違いないよ。あの赤い目の正体が何なのかは大体わかった」
「‼」
ぽつりとつぶやくように言った都に一同は驚いたように都を見た。
「でも、そう考えるとおかしな点があるんだよ。犯人はどうやって」
「皆さん、お疲れ様です」
突然コンビニのサンドイッチを袋に入れた美奈が笑顔で4人の背後に現れた。
「ああああ、これはサンドイッチ…うまそおおおおおおおおお」
勝馬はビニールからサンドイッチを取り出して早速頬張りだした。だが、都は何かがひらめきかかっているらしく「うーーーー」と唸ったまま真っ先に飛びつくであろうおひるごはんにも反応しない。
「悪いね美奈さん中学生なのに…ちゃんとお金は払いますので」結城が申し訳なさそうに頭をかく。
「都さん、考え事ですか? 私のこと疑ってなければいいですけど」
笑顔で美奈は冗談を言った。
「大丈夫…美奈ちゃんは第二の事件でアリバイがあるから。第一の事件は本当に災難だったよね。殺人現場の第一発見者になっちゃうし、ヘイト連中ばかりアリバイがあるしさ」
千尋がカラカラと笑うのを都は聞きながら、何かが氷解していくように目を光らせた。
―悲鳴―ヘイト野郎―
都の頭の中で何かが一本に繋がった…その時だった。
救急車が公園内に入ってきた。観光客が話しているのが聞こえる。
「大変だ。向こうの竹林で女の子がボウガンで」
「うそ、この前ここで殺人事件があったばかりじゃない!」
その言葉に結城ははじかれたようにその観光客をかき分けて救急車の後を追いかける。救急隊に囲まれて応急処置を受けている少女の前で、高野瑠奈が血だらけになって涙目で呆然としている。
「結城君…ごめ」
「秋菜ぁあああああああああああ」
結城が絶叫した。
6.氷解
手術中の赤いランプの前で、瑠奈は秋菜の血に染まったままうなだれている。
「瑠奈ちん…秋菜ちゃんを止血してくれたんだよね」
都は言った。瑠奈は震えが止まらないままだった。「ありがと」都は笑顔で瑠奈に笑った。
「都ぉおおおおおおお」
瑠奈が都に縋り付いて号泣した。都はそれを優しく受け止めた。
隣では結城が座り込んだまま物凄い形相で前を向いていて、千尋も勝馬、美奈も声をかけられない。
「結城君」
最初に声をかけたのは手術室の前に駆けつけた長川だった。それにはじかれたように結城は長川警部に掴みかかる。
「警部‼ 誰だ、秋菜にこんなことをしたのは‼ いや、犯人が分からなくてもいい。アリバイのない奴は誰だ。アリバイがない奴は‼」
「秋菜ちゃんが襲われた時間、伊藤議員と佐々木秘書は地元の支持者の集会に参加してアリバイがある。江川とカメラマンの藤見は殺人現場でテレビ局のリポートを生でやっててアリバイは完璧…アリバイがないのは、鑑定士の玉川重宗と管理人の番田、そしてここにいる小畑美奈さんだ」
美奈がおびえた表情で結城を見る。結城はその表情を見て力が抜けたように崩れ落ちた。
「お前らのにらんだとおりだった」
長川は沈痛な表情のまま警察手帳を取り出した。
「玉川重宗と死んだ文科省の辻、津川館長は県北の水郡市の発掘現場に豪雨災害の3日前から滞在していた。そして私も驚いたんだが、第二の事件で死んだ君塚は豪雨災害当時水郡警察署に勤務し、養護施設の警邏を管轄していた。同僚の話じゃ相当なネトウヨだったらしい。そして伊藤議員は水郡市の選挙区から立候補して小選挙区で敗れ比例で復活したらしい。もともとは大人しく当たり障りのないことを言っていたらしいが、山城議員の事があってから大丈夫だと思ったのかネトウヨ議員に走り出したんだ。そして驚いたことに」
長川は呆然としたままの結城と都を見回した。
「伊藤議員も水郡市に関係があった。議員生活を始める前に水郡市役所に勤めていてな。事故があった施設を担当していたらしいんだ。まぁ、当時の同僚や上司の話じゃ、すぐにヒステリーを起こす扱いづらい職員らしかったが」
長川は警察手帳を閉じた。結城は無言だった。長川は悲壮な顔で総括した。
「あの被災地に直接関係ないのは秘書の佐々木と管理人の番田、カメラマンの藤見、あとここにいる小畑美奈さんだけだがな」
結城は上の空だったが、都は瑠奈を抱きしめながらまっすぐ長川を見た。
「だが、番田には津川殺害の動機があるみたいなんだ。というのも実は彼は前の近代美術館館長だったんだよ」
「えっ」
小畑美奈が声を上げる。
「だが彼の歴史観を気に食わなかった辻や伊藤議員が追い落としに関わったといううわさがあってね。伊藤議員は少なくとも文科省の決定に賛同するツイートをしているんだ」
都はそれを真剣な表情で聞いていたが、やがて口を開いた。
「ねぇ、長川警部。金印の鑑定式はやっぱり行われるの?」
「ああ、もう間もなく行われるはずだ」
都の目が見開かれた。
「場所は‼」
「茨城県文化ホール。近代美術館のすぐ傍だよ。秋菜ちゃんの事件があったんで急遽移動したんだ。JBCでテレビで中継されるはずだ」
都は立ち上がった。
「行かなくちゃ!」
「どういう事?」
「犯人はここで最後の殺人事件を引き起こすつもりなんだよ! 事件はまだ終わっていない!」
結城の顔が上がった。「まさか、都」
「うん! 結城君‼ この事件の謎は全部溶けた」
「な・・・・」
「長川警部‼ 警察に連絡して‼ あの人をすぐに拘束するように‼」
「わかった」
長川はすぐにスマホにかけた。
都はみんなを振り返った。
「結城君はここで秋菜ちゃんをお願い。瑠奈ちゃんも…勝馬君も千尋ちゃんも」
「都は、犯人を捕まえに行くんだね」
瑠奈に言われて都は頷いた。
「ダメだ…警備部の連中は動こうとしない。私と都で直接行って止めるしかない。都」
「うん」
都と長川は走り出した。瑠奈は都をまっすぐ見て言った。
「都…お願い…」
茨城県立文化センターの展示室で金印が披露され、JBCの江川のレポートの下で鑑定式がはじめられた。テレビで全国中継される鑑定式。結果は日本の歴史観に大きな影響を与えるという事で社会の注目を浴びている。一方で警備にはじかれた番田は売店のテレビでそれを見ながら「けっ、こんな鑑定士が鑑定なんかできるか。結果は決まっているんだ」と捨て台詞を吐いた。
殺人者は茶番劇をずっと見ていた。鑑定が進行して玉川重宗が「この金印は間違いなく本物と鑑定できます」と言って、伊藤議員が「これで日本の本当の姿が明らかになりましたわ」と嬉しそうに叫ぶ。JBCの江川が興奮しながら大げさに騒ぐ。だが殺人者は既に動き出していた。
犯人の頭の中で豪雨によって増水した茶色い水が流れていた。この土石流に秘められた悍ましい真実が今日まで殺人者が生きてきた唯一の理由であり、この殺人計画を実行してきた唯一の糧であった。
必ず、必ず最後の殺人を決行しなければならない。殺人者の目は真っ赤に光、チャンスを待ち構えていた。
手術室のランプが消えた。やがて医者が出てくる。医者は少年少女たちに取り囲まれながら言った。
「重体は脱しました。ただし重傷であることには変わらないので、当病院の集中治療室に」
「命は…大丈夫なんですね」
結城が縋り付く様に言った。
「ええ、意識自体は戻るでしょう」
「わかりました」
やがて手術室からストレッチャーに乗せられ呼吸器をつけた秋菜が出てきた。結城は顔を真っ赤にして泣きながら秋菜のストレッチャー―に縋り付き、弱弱しい手を握った。
「おに・・・い・・・ちゃん・・」
ふいに呼吸器越しに目を攀じたまま秋菜が苦し気に言った。
「俺はここだ…秋菜…俺はここだ」
結城が泣きながらうなずき、瑠奈、千尋、勝馬も真っ赤な顔で秋菜を覗いた。
秋菜は結城の手を握った。
その様子を見届けた小畑美奈は真剣な表情で何か覚悟を決めたように踵を返してその場から消えた。
都と長川は文化センターに車を横付けし、警察官に封鎖された展示室へ向かおうとして警官に止められたが長川警部の警察手帳で黙った。その時テレビでは金印が本物であると鑑定され、作家の千田直之が「これで志賀島の金印が偽物である事がわかったのですねぇ」とのたまった。
「これで天照大神が作った日本という前提で歴史教科書が作られるのかね」
テレビを見ていた学芸員が鼻で笑いながら言った。
「これで日本は世界の笑いものだ」
犯人は調印式の瞬間を待っていた。ヘイト議員の伊藤、トンデモ鑑定士の玉川、そしてヘイトリポーターの江川が金印の上で手を伸ばす。
「それでは、新しい教科書と真の日本の歴史観の正しさが証明された事を祝って、赤い腕輪を巻きましょう」
この赤い腕輪は日の丸を表しており、政権与党のシンボルとして、新保守思想の連帯を表すものとして、何かの祝い事に同志たちがつける習わしになっていた。伊藤議員、江川リポーター、玉川重宗鑑定士がそれを装着した。それをカメラマンの藤見が撮影していく。
殺人者はグロテスクに笑った。とうとう死ぬべき3人に腕輪が装着された。その腕輪には無数の鉄球と起爆装置が内蔵され、着用した人間の腕から腸をえぐる。爆薬の量が少ないのは死の苦しみと恐怖を味合わせるためだ。そう、一瞬での死など許さない。苦しみぬいて死んでもらう。あの子たちが味わった同じ苦しみを確実に味合わせるために…。
黒い影が高々と爆薬の起爆スイッチを掲げ、異変に気が付いた周囲の人間が呆気に取られてそれを見る。
その直後だった。展示室のドアが開き、長川と都が乱入した。
「そこまでだ!」
長川は大声で叫んだ。
【挑戦状】
さぁ、全てのヒントは示された。殺人事件を引き起こした「赤い目」の正体とその殺人トリック、その証拠を当てて下さい。
犯人はこの中にいる!
小畑美奈
伊藤ちなつ
佐々木アツムネ
玉川重宗
江川豊
藤見優子
番田新