少女探偵島都 2018年

2009年くらいから母親が書いていたシリーズ設定をもったいないので2018年より本格的にわいが引き継いでみました。大体1記事でアニメ1話分くらいの長さだと思ってください。コナンや金田一みたいな高校生探偵ミステリーを想定しています。

魔法少女殺人事件ファイル2

魔法少女殺人事件 事件編
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■容疑者
・早見桜(19):女優。都の憧れの存在。
・松原時穂(28):マネージャー
・向井慶太郎(21):俳優、アイドル。
・川沼梓(17):女優。
本郷匠(44):俳優。
・副島卓彌(61):映画監督
・下北岡正嗣(29):カメラマン
ウメコデカメロン(47):タレント
・清水想(23):AD
・甲本丈(46):芸能プロダクション社長
・山川仁:岩窟城オーナー
 
3
 
「ただいま!」
お風呂上がりにジャージを着た女優の早見桜が、都、結城、秋菜の部屋にひょこっと顔を出した。
「おおお、待ってたよ!」
都がピョンピョン手を振った。トランプ片手にピョンピョンである。
「あれ・・・・梓は?」
「今甲本社長からメールがあったみたいで出て行ったよ」と結城。
「そう・・・なんの用事だろう」
桜は怪訝な顔をする。
「そういえば、山川先生は見つかったんですか」
秋菜の声に、桜は首をすくめながら「全然! そればかりか電話も壊れちゃってるし、心当たりのある場所に電話もかけられないみたい」と言った。
「携帯電話があるじゃないですか」
秋菜が聞くと
「ここ、圏外だよ」と都がピンクのガラゲーをかざした。アンテナは見事にバッテンになっている。
「あらら。という事は今夜は殺人事件が起こるかもね」
と桜はいたずらっぽく笑った。
「だって、高校生探偵が電話も通じない外界から隔離された場所にいるんだよ? これで殺人事件が発生しなかったら、神様も怠惰だと思わない?」
「やめてくれ、冗談じゃなく(;´Д`)」
結城が勘弁してというように手を振った。
「やっぱり都ちゃんも、金田一君やコナン君みたいに死神タイプなんだ」
「死神とかじゃないと思うよ」
と都はポテトチップスをポリポリした。
「警察が来れない場所に閉じ込められて、そこで人が殺された事件・・・大体は私が呼び出した人が犯人か、犯人が私が来ることを知って敢えてその日に人を殺したかどっちかだったよ」
「つまり、今日殺人事件が起これば、私が犯人?」
桜が不敵な笑いを浮かべた。
「その可能性はあるねぇ」
都が目をぱちくりさせた。
「やだぁwwww」
「まあ、殺人事件の動機となる事件の解決のために、都が呼ばれることも多いから、必ずしもって事はねえよ」
と結城は唸った。
「ただ、都が死神だっていうのは、違うことは確かだな。都の奴が道を歩いてたら目の前で突然殺人事件ってケースはほとんどなかったぜ」
「ほうほう・・・・参考になるわ」
桜はメモを取った。
(メモを取るべきところではないんだけどなー)
結城が心の中で突っ込んだ時だった。
「きゃああああああああっ」
突然梓の絶叫が響き渡った。
「嘘でしょ」
底知れぬ不安に秋菜は声を上げた。都と結城が部屋を飛び出し、1階の廊下に飛び出すと、奥の部屋の前の廊下で梓が座り込んでいた。
「どうした?」
「本郷さんが! 本郷さんが!」
梓が駆けつけた結城にすがりついた。扉が閉まっている。
「本郷さんがどうしたって?」
結城が梓の肩を抱くと、梓は震える表情で床を指さした。扉の隙間から真っ赤な液体が流れ出している。結城はそれを触り、匂いを嗅いだ。
「血だ・・・」
結城は「本郷さん!」と扉を叩いたが返事がない。ノブを回すが、鍵が掛かっている。
「どうしたんです?」
向かい側の部屋から下北岡が顔を出す。
「本郷さんの様子がおかしいんです。床から血が流れていて、返事がないんだ」
「なんですって!」
下北岡がりゅうちぇるみたいな悲鳴を上げた。
「合鍵は?」
「そんなものあるわけ無いでしょう!」
「この部屋の鍵はデンマーク製の複製が不可能な鍵だ」
イケメンアイドルの向井慶太郎が部屋から出てくるなり、冷静に言った。
「一体何なんだ? 騒がしい・・・って、血か!」
「ああ、こりゃ、ドアをぶち破るしかねえ。手伝ってくれるか?」
「あ、ああ」
向井が言い、下北岡、結城の3人でドアに体当りした。4回目の当身でようやく中のネジがぶっ飛んで、結城たち3人は密室に放り出された
 開いた扉から見えた部屋の床には血が飛び散っている。部屋の中は巨大な刃物でズタズタにされていた。
「いやぁあああああ」
下北岡が悲鳴を上げ、部屋に駆け込もうとするのを結城は手で制した。
「今確かめますから」
そんな結城を他所に、都は血だらけの床を超えて、ゆっくりと窓の方に歩き出す。血が転々と窓のほうに向かっていたからだ。窓とベッドの間には都の恐れていた通りの光景が広がっていた。
「都ちゃん?」
「桜ちゃん・・・秋菜ちゃん・・・来ちゃダメ」
「私は師匠の助手です!」
秋菜がそう言って都の後ろに来たとき、それを見てしまった。
 ベッドと窓下の間にぐにゃりと押し込められていた全裸のマッチョ男の死体は、血と氷に埋められ、首がなかった。
「なにこれ・・・・ものすごくひんやりしている」秋菜が口を押さえて震えた。
「多分ドライアイスだな」
結城は秋菜を下がらせてから、都の後ろから覗き込んだ。
「どうしたんだ!」
大広間で一緒に酒を飲んでいたらしい副島監督とウメコ、清水、松原マネージャーが部屋に駆けつける。
「本郷先生がどうしたんだ!」
「殺されているんですよ!」
「なんですって!」
ウメコが絶叫した。
「清水・・・甲本社長を起こしてこい」
副島が清水に命じた。
「でもこの死体は本郷なのか」
結城が都に聞くと、
「間違いないよ」
と、都がベッドのすぐ脇に置かれていたゴミ箱を倒した。中からごろりと生首が見えた。苦悶に歪んで目を見開いた本郷匠の断末魔の表情がそのまま床を転がる。
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
ウメコが恐怖で尻餅をついた。
「結城君・・・・この首。口に何か咥えてるよね」
「鍵じゃないですか?」
秋菜が言った。都が素手で生首の口を開き、死体の口から鍵を抜き取ると、それを両手で胸に抱きながら、壊れた扉の前に落っこちた錠前に差し込んだ。鍵穴ががちゃりと動き、錠が外れた。
「・・・・やっぱり・・・・・」
「おいおい、こりゃ」
結城がため息混じりに言った。
「窓はは固定されてるし・・・」秋菜が呪文のように言う。
「完璧な密室だな」と結城。
「密室・・・殺人なの?」
桜が言った。
「ああ」
結城は唸った。
「う、嘘」
松原マネージャーが息を呑む。
「まさか・・・・・自殺なの?」
ウメコの問いに結城は首を振った。
「人間が自分の首を切って、それをゴミ箱に入れてからベッドと窓の下の間に体を折り曲げ、ドライアイスの下にダイブなんて自殺が出来るわけないでしょう。それに見たところ脇腹にも刺したあとがあるし、ゴミ箱の中の血も少ない。こりゃ、どう考えても別の人間が本郷さんを刃物で刺して殺害したあと、首を切ってゴミ箱に放り投げたんだ。これは殺人事件だよ」
「くそっ、こんな時に電話が繋がれば」
「山川先生よ」
カメラマンの下北岡正嗣が笑った。
「どこかに潜んでいる『屍蝋鬼』になった山川先生が自分の小説の通りに、私たちを殺害して回っているのよ。電話線を切ったのも私たちをここから逃がさないため。そうじゃない?」
「冗談じゃないぞ」
副島が大声を出した。
「俺は帰る! 清水・・・バスを回してくれ!」
「え?」
「帰るんだよ。こんな館にいられるか!?」
「それは困る!」
突然大声が廊下に響いた。いつの間にか廊下に芸能プロの社長の甲本丈が立っていたのだ。
「番組制作会社とうちのプロで番組制作は決まっているんだ。ここで企画がおじゃんになったら、違約金は制作会社に払ってもらうぞ」
「殺人事件が起こってもか!?」
副島が大声を出す。
「そうですよね、監督」
松原マネージャーが宥めるように言った。
「それならば我が社が帰ることに賛成したらって事にすればよろしいですよね」
「どういうことだ・・・・」
松原の提案に甲本が絶句する。
ウメコデカメロンさんが帰りたいとさっきおっしゃっていました。ウメコさんを怒らせたら、業界でやっていくのは無理なんじゃないんですか?」
松原マネージャーの笑顔が能面に張り付いたかのように冷たくなる。
「それに・・・・」
「もういい」
甲本は扉を蹴飛ばして廊下を歩きだした。「好きにしろ!」
 その様子を副島が苦々しく見つめる。
「ねえ、あんたたち。殺人事件なら警察が来るまで現場を保存しておくべきじゃないの?」
ウメコデカメロンが訝しげに聞く。
「そうなんですけどね」
結城はため息をついた。
「電話線が切断され、外界と隔離されてるってことは、犯人はまた何かをやらかす可能性が高いんです。第二の殺人を防ぐためにも、ここは現場を荒らしてでも手がかりを見つけるしかないかと」
「でも、もうすぐバスが出るわよ」
ウメコが言うと
「確かにそうだね」
と都は言った。
「バスで帰れるんだったら、現場を保存して警察に任せたほうがいいかもね」
「なんか、都ちゃん、さすがだわ」
桜が言った。
「殺人現場に慣れてるっていうか、平気で本郷さんの首にも触っていたし・・・気持ち悪くないの?」
「気持ち悪いっていうより、可愛そうかな」
都は笑った。桜が感銘を受けたように都を見る。
「でも、あとは警察に任せるけどね!」
「あの!」
秋菜が急に大声を出した。そして真剣な目で都を射抜いた。
「私密室トリックの謎が分かっちゃったんです!」
 
4
 
「おおおおお」
都が感心したように目をキラキラさせた。
「秋菜ちゃんもうわかったんだ!」
「はい!」
秋菜は頷いた。結城も「ほう」と関心を引いたようだった。
「この密室・・・窓は固定されていますが、上窓は開いています」
「確かに・・・だが、これは頭が入るくらいの大きさだ。犯人が出入りできる大きさはないぞ」
「ですから、頭が通ったんだよ」
秋菜は頷いた。
「犯人があの上窓から頭を投げてゴミ箱に入れたってことか? 距離と角度的に無理だ」
「ヒントは、このゴミ箱が窓の正面にあること。そこにスキー板みたいに滑り台になるようなものがあれば、鍵を加えた生首をゴミ箱に入れることが出来ると思いませんか?」
と秋菜は都に言った。都は「うんうん」と頷いた。
「でもその滑り台を犯人はどうやって回収したんだ」
「滑り台は、あれだよ! お兄ちゃん!」
秋菜はベッドの下に折りたたまれた死体を指さした。
「あの死体、小説に見立てられてドライアイスを詰められていました。でもあれは犯人のトリックの痕跡を隠滅するためのものだったとしたら?」
「まさかお前」
結城は唸った。
「そうです! 犯人は死体をガチガチに凍らせて、その死体をベッドから窓に立てかけ、滑り台にして死体の首を窓から転がし、下のゴミ箱に落としたんです。その後凍った死体が溶けてベッドの下にぐにゃりと収まる・・・そうする事でトリックの痕跡は隠蔽されるんです!」
「おおおおおおお」
都が感心したように拍手した。
「すごい、秋菜ちゃん! 眠りの小○郎みたい!」
桜も目を輝かせる。
「師匠どうですか!? 合ってますか!?」
「合ってる・・・・かも・・・・」
都はぴょこんと首をかしげた。
「私の推理・・・・何か穴があるんですか?」
秋菜が聞く。
「お前なぁ」
結城が呆れたように言った。
「本郷さんと飯を食ったのが2時間前、発見されるまでの2時間でどうやって死体をガチガチに凍らせるんだよ」
「え、液体窒素とか使ったのかも」
「そんなものをこんなところにどうやって持ち込んだかというツッコミは置いておいて、それで凍らせた死体を運んだり動かしたらバラバラになっちまうよ。それにだ」
結城は一度廊下に出た。
「この廊下はラウンジに繋がっている。周りにも人の出入りがある部屋はあるし、死体なんか持ち運ぶにはリスクが高すぎるだろう・・・なぁ都」
結城はしゅんとする秋菜を傍目に都に同意を求めるが、都は
「ううううん、それは逆に言えばその2つをクリアできればこの秋菜ちゃんの推理は完璧なんだよね」
と考え込んで、秋菜はちょっと元気を取り戻した。
 結城はため息をついた。
「ただ、このトリックが使われたとしても、他の方法が使われたにしても・・・」都は思案した。
「犯人はなんで密室まで作っておいて、自殺に見せかけたりしなかったんだろう」
「『屍蝋鬼』の仕業に見せかけたかったからとか」
秋菜が言う。だが都は首を振った。
「ーーーそう見せかけて、犯人には何のメリットがあるんだろう。事件はややこしくなるかもしれないけど、アリバイとか警察の捜査をそらすとかそういう面で、犯人には何のメリットもないんだよ? それに犯人は私がここに来ることを知ってて敢えてこのトリックを使ってきた」
「『死神のスパイラル』ね」
桜が真剣な表情で声を上げた。
「なにそれ」
都がハテナマークで首をかしげる
「日本の女子中学生推理作家のYUKOさんが、2017年に提唱した概念よ。それによれば、漫画に出てくる高校生探偵が事件に巻き込まれるパターンには3つの可能性があるみたいなの。一つ目が『単なる偶然、通りすがり』、二つ目が『探偵がその場所に来るきっかけとなった出来事に関連して犯人が犯行を行った』、三つ目が『犯人がトリックに利用するために探偵を呼んだ』。この事件は少なくともスタッフ、俳優、関係者全員が女子高生探偵島都が来ると知っていたから、一つ目はまず考えられない。二つ目はあり得るけど、その場合犯人は犯行を延期するはず。延期しないのはこの日に犯行をしなくちゃいけない何かのっぴきならない理由があるから。そして三つ目は・・・」
「犯人が私を犯行に利用するために呼んだってことだよね」
都は答えた。
「三つ目だとはあまり考えたくないな」
結城は底知れぬ不気味さを考えた。都は大川隆法に守護霊下ろされたり、ウィキペディアに乗るほど知られているわけではないが、業界人ならその推理力は知られている。その都を逆に犯罪に利用しようだなんて考える犯人は、結城が思いつく限り、一人しかいない。あのドクロのように顔が焼けただれた、あの殺人鬼・・・・。
都は考え、そして「うううううううううううううううううううん」と声を上げた。
「私、死神なんだぁ」
「そこかよ」
涙目になる結城に都が突っ込んだ。
「でも大丈夫ですよ・・・・」
梓が努めて笑顔で言った。
「もうすぐバスで帰れますから」
 その直後だった。
-ドカアアアアアアアアアアアン
 凄まじい爆発音が響いた。
「結城君!」
「外!」
「まさかバスが!」梓が悲鳴を上げた。
 とにかく結城兄妹と都は「なんだなんだ」と騒ぐロビーの連中を尻目に、外に駆け出した。
 駐車場に停車していたバスの窓ガラスが吹っ飛び、運転席からクラクションが鳴っている。炎の中で悶え苦しんでいる、若い女性の顔が無残に爛れた松原マネージャーがかすかに見えた。
「マネージャー!」
桜が絶叫した。
 都が脱兎のごとく走り出すと、セーターを脱いで(当然ブラジャー一枚になって)両手に巻いて運転席のドアに手をかけようとする。しかしドアが開かない。都はガラスが吹っ飛んだドアから、ロックを解除しようと取っ手に手を伸ばした。
 その時、炎の中から焼けただれた腕が伸びてきて都の肩を掴んだ。炎の中から松原マネージャーの焼け崩れた顔が凄まじい表情で都を窓の中に引きずり込もうとする。
 その都を結城の二の腕が捕まえた。
「離れろ!」
都を松原から引き離した結城は、彼女の体を抱いて、近くの雪に飛び込んだ。
「お姉ちゃん!」
梓が悲鳴を上げた。桜がドアを開けようと危険も顧みずにドアにしがみついたのだ。
「ダメです!」
梓がそう叫んで桜をバスから引き離す。
「離して、マネージャーが! マネージャーが!」
桜の絶叫が響いた。
 だがけたたましいクラクションを鳴らしながら、もはや松原の体は炎の中に崩れ落ちていた。そしてガソリンに引火し、バスの輪郭は光の中へと消えた。
 
「お姉ちゃん」
梓が綿棒で火傷した両手に薬を塗る。桜は崩れ落ちたままだ。
「ごめんね、マネージャーさんを助けてあげられなくて」
都はつぶやくように言った。
 
「くそっ」
無念の表情で空の消火器を結城は投げ捨てた。焼け落ちたコースターバスの運転席では、松原時穂マネージャーがボクシングスタイルで熱硬直していた。
「事故・・・じゃないよね」
秋菜がすすで汚れた顔を手で覆いながら震えつつ死体を見る。
「事故であんな吹っ飛び方するかよ。多分爆弾だ。大型車吹っ飛ばすくらいの爆弾、ネット知識と秋葉原一周する時間と金があれば余裕なのが今の時代だぜ」
「マジかよ・・・これじゃああ、家に帰れないよ」
向井慶太郎が頭を抱えてへたり込む。
「メソメソ泣くんじゃないわよ、男が」
そう喚くウメコが一番余裕がなさそうに見える。
「おい、清水!」
副島が喚いた。
「お前、ちょっと下の集落に行って、電話借りて来い」
「嫌ですよ。防寒着もないのに・・・。麓の集落までは道なりで20km近くあるんです! こんな冬山で普通の装備じゃ、死んでしまいますよ」
「ごちゃごちゃ言うんじゃねええ。監督の言うことが聞けないのか!」
副島の怒号がいきなり止まった。清水が副島を殴り飛ばしたのだ。
「貴様」
「監督だかなんなのか知りませんがね。殺人事件になった以上、こんな業界の関係なんてどうでもいい・・・・生き残るのが先決なんです。僕は僕の判断でそうさせていただきます」
清水はそういうと館の中へ戻っていった。
「ふふふふふふ、いい感じだわ」
その様子を下北岡が恍惚の表情でカメラに収める。
「なんか大変なことになっちゃっいましたね、師匠」
秋菜は言った。
「でも清水さんの言うとおりだよ」
都は言った。
「犯人は、まだまだ人を殺す気だよ!」
 
つづく